清水港湾事務所の取り組み(実施中の事業)
防波堤の改良(地震・津波対策)
平成23年の東日本大震災の教訓を踏まえ、大規模地震に伴う津波により防波堤が倒壊し、港湾利用が再開できない事態を防止するため、平成26年から、防波堤の「粘り強い構造」への改良工事を進めています。
- 主要施設/外港防波堤(改良延長1,300m)
- 主な改良内容/上部工の嵩上げ(高さ約2.5m)、被覆ブロックの新設、消波ブロックの大型化(50t → 80t)
- 事業期間/平成26年~

防波堤の改良状況


80t型消波ブロックの据付作業
(令和2年12月)

上部工の嵩上げ後
(令和3年4月)
富士見岸壁の改良(老朽化対策)
飼料・食料用穀物や製紙原料用木材チップ、セメント等のばら積み貨物(バルク貨物)の受入拠点である富士見地区は、岸壁の老朽化が進んでいることから、バルク貨物の安全かつ安定的な受入機能を確保するため、平成27年に、岸壁改良工事に着手しました。
穀物運搬船をはじめとする多くの船舶が利用する中での施工となるなど、難易度の高い条件の中、工事を進めています。
- 主要施設/富士見5号岸壁(延長290m)
- 主な改良内容/既設桟橋を撤去し、矢板式岸壁に改良
- 事業期間/平成27年~

富士見岸壁の改良状況

大型起重機船による既設岸壁上部の撤去作業
(令和3年1月)
日の出岸壁の改良(老朽化対策・大型クルーズ船対応)
清水港では、近年、国内外のクルーズ船の寄港が増加しており、平成29年には国際旅客船拠点形成港湾に指定されました。
クルーズ船の受入拠点である日の出地区は、岸壁の老朽化が進んでおり、また、大型クルーズ船が着岸するために必要な水深が一部箇所で不足している状況です。
こうした課題に対応し、大型クルーズ船の受入機能を確保するため、平成28年から、日の出岸壁の改良工事を進めています。
工事が完成すれば、大型クルーズ船が2隻同時に着岸できるようになり、日の出地区の更なる活性化・賑わい創出が期待されます。
- 主要施設/日の出4~5号岸壁(延長480m)、日の出1~3号岸壁(延長340m)
- 主な改良内容/
日の出4~5号岸壁(新2号岸壁):係船柱の大型化(35t型 → 200t型)、防舷材の改良
日の出1~3号岸壁(新1号岸壁):既設桟橋の補強、既設桟橋を撤去し矢板式岸壁に改良 - 事業期間/平成27年~令和4年(予定)

日の出岸壁の改良状況

係船柱の大型化
左奥:従来型(35t型)
右手前:改良後(200t型)

鋼管杭の打設工事(回転圧入工法)
(令和2年2月)
新興津岸壁の延伸
清水港新興津地区では、自動車部品・産業機械・電気機器等のコンテナ貨物や、製紙原料となる紙パルプ貨物の取り扱いが増加し、寄港する船舶の大型化も進む中、岸壁の混雑や延長不足により、船舶の沖待ちや他地区での荷役などの非効率な輸送が生じています。
こうした課題に対応し、必要な岸壁延長を確保するため、令和3年から、新興津コンテナターミナルの岸壁延伸工事を実施します。
これにより、清水港背後に立地する自動車産業、製紙産業等の競争力を強化し、地域経済の活性化を図ります。
- 主要施設/岸壁(延伸200m、耐震構造)
- 事業期間/令和3年~令和7年度(予定)

新興津岸壁延伸事業の概要

新興津岸壁に着岸するコンテナ船
(令和3年5月)

新興津岸壁における輸入紙パルプの荷揚げ
(令和3年6月)